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成年後見制度の見直しとは?利用しやすく変わるポイントや今後の変更点を解説

梅雨が明け、本格的な夏を迎えました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

今回は、成年後見制度の見直しについてご紹介します。

成年後見制度は、判断能力が十分でない方の生活や財産を守るための大切な制度です。しかし、「一度利用すると原則として途中で終了できない」などの理由から、利用をためらう方も少なくありませんでした。

こうした課題を踏まえ、現在、より利用しやすい制度を目指した見直しが進められています。

今回は、見直しの背景や主なポイントについて、分かりやすくご紹介します。

これまで成年後見制度が利用しにくいと言われてきた理由

 

成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が十分でない方の権利や財産を守るための大切な制度です。しかし以下の理由で「必要性は感じているものの利用には踏み切れない」という声が少なくありませんでした。

最も大きな理由の一つが、一度成年後見制度を利用すると、原則としてご本人が亡くなるまで後見が続くという仕組みです。

例えば、相続手続や不動産の売却、預貯金の解約など、一時的に支援が必要な場面があります。しかし、こうした手続が終わっても後見は終了せず、その後も後見人による財産管理や法律行為の支援が継続することになります。


そのため、「今は手続のために後見人が必要かもしれないけど、手続が終われば自分や家族で管理できる」と考えて、制度の利用をためらうケースがありました。
 成年後見制度では、家庭裁判所がご家族ではなく弁護士や司法書士、などの専門職を後見人に選任することがあります。この場合、後見が続く間は、ご本人の財産の状況などに応じて後見人への報酬が発生するため、長期間にわたる経済的な負担を心配される方も少なくありませんでした。

後見人にはご本人の財産を適切に管理する責任があります。そのため、不動産の処分やまとまった金額の支出などについては、ご本人やご家族の希望だけで自由に進められない場合があります。これはご本人の財産を守るために必要な仕組みですが、「思ったより自由にできない」と感じる方もいました。

成年後見制度は一度利用すると途中で終了することが難しく、「本当に後見が必要なのか」「他の支援制度では対応できないのか」と悩み、結果として利用を見送るケースもありました。

こうした背景から、現在は「必要なときに利用し、必要がなくなれば終了できる制度」へと見直すことが検討されています。制度をより柔軟に利用できるようにすることで、必要な方が安心して成年後見制度を利用できる環境づくりが期待されています。

 

見直しの主なポイント



1 必要な期間だけ利用できる制度へ

これまでのように後見が長期間続くことを前提とするのではなく、相続手続や不動産売却、預貯金の解約など、支援が必要な目的を果たした後は後見を終了できる仕組みが検討されています。

2 本人の意思をより尊重

成年後見制度は「保護」の役割が強い制度でしたが、今後はご本人の希望や価値観をできる限り尊重し、自分らしい生活を支える制度へと見直しが進められています。

 

3 必要な範囲に限定した支援

現在は後見人に幅広い権限が与えられることがありますが、今後は必要な事項だけを支援できるよう、権限を限定する仕組みも検討されています。これにより、ご本人が自分でできることは引き続き自分で行い、必要な部分だけ支援を受けるという考え方が取り入れられる見込みです。

 

4 利用しやすい制度へ

「一度始めるとやめられない」という不安が軽減されることで、必要な場面で成年後見制度を利用しやすくなることが期待されています。また、家庭裁判所が後見継続の必要性を確認し、状況に応じて終了や内容の見直しができる制度も検討されています。

 

今後に向けて

成年後見制度は、ご本人の生活や財産を守るために欠かせない制度です。しかし、社会の高齢化が進む中で、「必要な人が、必要なときに、必要な支援を受けられる制度」であることも重要です。

今回の見直しは、制度をより柔軟で利用しやすいものとし、ご本人の意思を尊重しながら支援することを目指すものです。

 なお、現時点では法改正は検討段階であり、具体的な制度内容や施行時期は今後決定される予定です。成年後見制度の利用を検討されている方は、最新の制度情報を確認しながら、ご自身やご家族に合った支援方法を選択することが大切です。

この記事を担当した専門家

司法書士法人C-first

代表社員

山内 浩

保有資格

代表社員司法書士 家族信託専門士

専門分野

家族信託 相続 遺言 生前対策

経歴

司法書士法人C-firstの代表を務める。平成6年4月に貝塚市にて開業、平成25年4月には合併を経て事務所名をC-firstに改名。高齢者の生前対策について新しい財産管理承継ツールである家族信託などを活用して、高齢者の生前対策に最適なプランを提供する。


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