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「払えなかったらどうしよう…」不安から始まった相続を、安心に変えた解決事例

登場人物

ご相談に来られたのは、日本国籍のお父さまと、外国籍のお母さまご夫妻でした。
被相続人は、お二人の一人娘さん(日本国籍)。配偶者やお子さまはいらっしゃいません。

相談内容

葬儀が終わって少し落ち着いたころから、娘さん名義の消費者金融やクレジットカード会社、分割払いの請求書が次々と届き始めました。封筒の束を見るたびに、「いったいいくら借金があるのか」「自分たちが払いきれなかったらどうしよう」と、お二人とも強い不安を感じておられました。
一方で、最近購入したマンションや預金などの財産もあり、「金額によっては親としてきちんと支払ったうえで相続したい」というお気持ちもお持ちでした。

また、マンションについては、団体信用生命保険(住宅ローンの契約者が亡くなると残りのローンがゼロになる保険)に加入されていました。
ただ、お母さまが外国籍であることから、「銀行や法務局で通常と違う手続きになるのでは」「自分たちだけで進めるのは心配だ」と感じられ、当事務所に相続手続き全体のご相談をいただきました。

当事務所のアドバイス

まずお伝えしたのは、「あわてて支払いを始める前に、全体像をきちんと把握しましょう」という点です。
亡くなった方の借入状況は、手元の請求書だけでは漏れや重複が出やすいため、ローンやクレジットの情報をまとめている専門機関に開示請求を行い、借金を一覧にする債務調査という方法をご案内しました(信用情報の開示)。
そのうえで、マンションや預金などのプラスの財産と借金を比べ、どうするのがご夫婦にとって一番安心かを一緒に検討していきます。借金が多すぎる場合には、家庭裁判所での「相続放棄」という選択肢もありますが、そのためには娘さんの財産を勝手に使っていないことが前提になるため、預金の引き出しやマンションの売却は結果が出るまで控えていただくようお願いしました。

また、相続人に外国籍の方が含まれる場合、銀行や法務局ごとに必要書類が変わることが多いため、当事務所が窓口となって一件ずつ確認しながら進めていく方針をお伝えしました。

提案したメニュー

ご夫婦から「自分たちだけで、すべての金融機関やカード会社に連絡するのは心細い」とのお話がありましたので、当事務所が一括して手続きをお手伝いする「相続手続き丸ごとサポート」をご提案しました。
このサービスでは、相続登記(不動産の名義変更)や住宅ローンの抵当権抹消から、預貯金の払い戻しまで、相続に関する手続きをまとめてお任せいただけます。
今回のケースでは、債務調査で借金の全体像を把握すること、プラスの財産とのバランスを見て「相続するか・相続放棄か」を判断すること、相続する場合は支払方法を整理しながら、不動産や預金の名義変更までワンストップで進めることをメインの支援内容としました。

解決までの流れ

まず、娘さん名義の通帳やカード、届いている請求書を一緒に整理し、信用情報機関へ開示請求を行いました。少しドキドキしながら結果を待っていただきましたが、その結果、消費者金融やクレジットカードの借入先と残高がすべて一覧になり、「何となくの不安」が数字として見える形になりました。
調査の結果、マンションについては団体信用生命保険の適用により住宅ローンが完済となる見込みであること、預金と合わせるとプラスの財産の方が多いことが分かりました。ここでご夫婦も「思っていたより何とかなるかもしれない」と、少しほっとされたご様子でした。
次に、リボ払い(毎月の支払額だけ決まっている分割払い)になっていたものについては、一部を一括払いに変更してもらうなど、各会社と相談しながら整理を進めました。
並行して、外国籍のお母さまについて、銀行や法務局が求める身分証明や署名の方法を一つずつ確認して、書類を整えました。最終的には、マンションの相続登記と抵当権抹消(住宅ローンの担保の記載を登記簿から消す手続き)、預金の払い戻しなど、相続に関する主な手続きを当事務所が窓口となって完了させることができました。

まとめ

複数の会社からの借入やリボ払い、最近購入したマンション、さらに相続人の中に外国籍の方がいる。一見するととても複雑で、「自分たちだけではとても無理」と感じてしまうケースです。
しかし、今回のようにまずは債務調査で借金の全体像を把握し、プラスの財産とのバランスを冷静に確認すれば、「相続したほうが良いのか」「相続放棄を検討すべきか」の方向性が見えてきます。
相続登記が義務化され、名義変更を長く放置することはリスクにもなりますので、早めに専門家に相談していただくことが大切です。
また、将来同じような不安を残さないためには、生前のうちに遺言書、とくに公正証書遺言(公証役場で作る遺言)で、「財産と借金をどう扱ってほしいか」を知らせておくことも有効です。

同じ状況の方へひとこと

亡くなられた方が複数の会社からお金を借りていた場合、まずは一度立ち止まって、「本当に相続して大丈夫か」を確認することが大切です。借金が多すぎるときには、家庭裁判所での相続放棄という選択肢もありますが、その前に財産を処分してしまうと手続きが難しくなることがあります。
また、相続人の中に外国籍の方がいらっしゃると、「自分のケースはどうなるのか」「どんな書類が必要なのか」が一層分かりにくくなります。銀行や法務局の判断も、状況によって少しずつ違うため、その都度確認しながら進めることが欠かせません。
いずれも時間のかかるお手続きですので、「何から始めればいいのか分からない」「相続登記や相続放棄のことを聞いてみたい」と感じられた時点で、どうぞ一度シーファーストにご相談ください。相続専門の司法書士が、ご家族の状況に合わせて、いっしょに最適な進め方を考えてまいります。

 

この記事を担当した専門家

司法書士法人C-first

行政書士

丸谷春稀

保有資格

行政書士

専門分野

相続 遺言 家族信託 成年後見

経歴

立命館大学経営学部を卒業後、令和3年度行政書士試験に合格。翌年7月行政書士登録。家では年の離れた妹の面倒を見るイクメンの兄。


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