「遺産分割前の預貯金の払戻し制度」を利用して葬祭費など必要な費用を確保した事例
ご相談者様の家族関係
ご相談者
長男(Aさん)
被相続人
Aさんの母親(父親はすでに他界)
相続人
Aさん(長男)
長年会っておらず、連絡もあまり取っていなかった弟(二男)

ご相談内容
ご家族が亡くなられた後、Aさんは、初七日や四十九日などの葬祭にかかる費用や、被相続人が生前に利用していたクレジットカードの未払い分など、相続発生後に必要となるさまざまな支払いへの対応を求められていました。
一方、被相続人の預貯金について通常の相続手続きを行うためには、原則として、相続人全員で遺産分割協議を行い、必要書類をそろえる必要があります。
しかし、相続人の中には、Aさんが長年会っておらず、連絡を取ることもほとんどなかったご兄弟がいらっしゃいました。
そのため、連絡先の確認や相続手続きについての説明、遺産分割の話し合いなどに時間がかかることが予想されました。
Aさんは、「遺産分割協議がまとまるまで、亡くなった後に必要となる費用をすべて自分で立て替えなければならないのでしょうか」とお困りになり、当事務所へご相談に来られました。

担当者からのアドバイス
相続人の中に疎遠な方がいる場合、すべての相続人と連絡を取り、遺産分割協議を成立させるまでに時間を要することがあります。
もっとも、葬祭費や被相続人の未払い費用などは、遺産分割協議がまとまるまで支払いを待ってもらえるとは限りません。
そこで、Aさんに対し、遺産分割協議が成立する前であっても、一定の範囲で被相続人名義の預貯金を払い戻すことができる「遺産分割前の預貯金の払戻し制度」をご案内しました。
この制度を利用すれば、他の相続人全員の同意をただちに得ることが難しい場合でも、法令上認められた範囲内で、金融機関から預貯金の一部を払い戻してもらえる可能性があります。
今回のように、葬祭費や被相続人の債務の支払いなど、相続発生後すぐに資金が必要となる場合に活用を検討できる制度です。
ただし、払い戻すことのできる金額には上限があり、金融機関ごとに必要書類や取扱いも異なります。
そのため、相続関係や預貯金残高を確認したうえで、仮払いを受けられる金額を算定し、対象となる金融機関へ手続きを行うことをご提案しました。
提案したメニュー
相続手続き丸ごとサポート
預貯金の仮払い手続き
相続人調査・戸籍収集
相続財産調査
疎遠な相続人への連絡および遺産分割協議のサポート
解決までの流れ
まず、戸籍を収集して相続人を確定するとともに、被相続人名義の預貯金やその他の相続財産について調査を行いました。
そのうえで、仮払いを希望する金融機関について、預貯金残高や法定相続分をもとに、遺産分割前に払い戻すことのできる金額を確認しました。
必要となる戸籍や金融機関所定の書類を準備し、預貯金の仮払い手続きを行った結果、遺産分割協議が成立する前に、被相続人名義の預貯金の一部を払い戻すことができました。
Aさんは、その資金を、初七日や四十九日などの葬祭に関する費用や、被相続人のクレジットカードの未払い分など、相続発生後に必要となった支払いに充てることができました。
これにより、Aさんが長期間にわたって費用を立て替え続けなければならない状況を避けることができました。
預貯金の仮払い手続きと並行して、疎遠となっていた相続人への連絡も進めました。
長年交流がなかったため、連絡や事情の説明には時間を要しましたが、仮払いによって当面必要な資金を確保できていたため、支払いを心配しながら遺産分割協議を急ぐ必要がなくなりました。
その後は、相続財産の内容を整理し、各相続人へ丁寧に説明したうえで、遺産分割協議を進めることができました。
Aさんからは、「疎遠な相続人との話し合いが終わるまで、すべての費用を自分で負担しなければならないと思っていました。必要な支払いに預金を使うことができて安心しました」とのお言葉をいただきました。
同じようなお悩みをお持ちの方へ
相続人の中に、長年会っていない方や連絡先が分からない方がいる場合、遺産分割協議が成立するまでに時間がかかることがあります。
しかし、相続が発生すると、葬儀や法要に関する費用、医療費、施設利用料、公共料金、クレジットカードの利用代金など、さまざまな支払いが短期間のうちに発生することがあります。
被相続人の預貯金が十分に残されていても、遺産分割協議が終わるまで一切使用できないと思い、ご自身の預貯金から立て替えてしまう方も少なくありません。
このような場合には、「遺産分割前の預貯金の払戻し制度」を利用することにより、相続人全員の合意が整う前でも、一定の範囲で被相続人名義の預貯金を払い戻せる可能性があります。
もっとも、金融機関への申請には、被相続人の出生から死亡までの戸籍や相続人の戸籍、印鑑登録証明書など、複数の書類が必要となることがあります。
また、仮払いを受けた金額は、最終的な遺産分割において、その相続人が取得した財産として取り扱われるため、誰が、何のために、いくら払い戻したのかを明確に記録しておくことも大切です。
特に疎遠な相続人がいるケースでは、仮払い手続きだけでなく、相続人の所在確認や連絡、相続財産の調査、遺産分割協議までを見通して進める必要があります。
司法書士法人・行政書士法人C-firstでは、相続人調査や預貯金の仮払い手続きから、疎遠な相続人への連絡、遺産分割協議、預貯金や不動産の名義変更まで、一貫してサポートしております。

相続発生後の費用負担や、疎遠な相続人との手続きでお困りの場合は、お早めにご相談ください。
この記事を担当した専門家

司法書士法人C-first
行政書士
鈴木 塁
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
相続 遺言 生前対策 家族信託
- 経歴
大学卒業後、東京のホテルに就職し、その後、行政書士法人での勤務を経てc-firstに勤務。元バスケ部でその長身から相続業務をパワフルにこなす。






























































