相続に関する100の質問
1.相続の基本・亡くなった直後の手続き
Q1. そもそも相続とは何ですか?
相続とは、亡くなった方が持っていた財産や権利・義務を、配偶者や子どもなどの相続人が引き継ぐことです。預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も原則として相続の対象になります。
Q2. 家族が亡くなったら、相続手続きは何から始めればよいですか?
まず、遺言書の有無を確認し、相続人と相続財産を調査することが基本です。そのうえで、相続放棄をするか、誰がどの財産を引き継ぐかなどを検討していきます。
Q3. 相続手続きにはどのような期限がありますか?
代表的なものとして、相続放棄は原則3か月以内、所得税の準確定申告は原則4か月以内、相続税の申告・納税は原則10か月以内です。また、不動産を相続した場合の相続登記にも原則3年以内という期限があります。
Q4. 相続手続きを何もしないまま放置するとどうなりますか?
時間が経つほど相続関係が複雑になる可能性があります。相続人が亡くなってさらに相続が発生したり、不動産を売却できなかったりするほか、期限のある手続きを逃してしまうこともあります。
Q5. 四十九日が終わる前でも相続手続きを始めてよいですか?
はい。法律上、四十九日を待たなければ相続手続きを始められないという決まりはありません。相続放棄など期限の短い手続きもあるため、状況確認だけでも早めに始めることをおすすめします。
Q6. 相続手続きがすべて終わるまで、どのくらいの期間がかかりますか?
相続人や財産の状況によって異なります。比較的シンプルな相続であれば数か月程度で完了することもありますが、相続人が多い場合や不動産・金融資産が多数ある場合などは半年以上かかることもあります。
Q7. 相続手続きは自分だけで行うこともできますか?
可能です。ただし、戸籍収集、遺産分割協議書の作成、不動産登記、金融機関の手続きなど多くの作業が必要になるため、状況によっては専門家へ依頼した方が負担を抑えられます。
Q8. 相続について相談したい場合、司法書士・弁護士・税理士の誰に相談すればよいですか?
相談内容によって異なります。不動産の相続登記などは司法書士、相続人同士で争いがある場合は弁護士、相続税の申告や税務相談は税理士が主な専門分野です。
Q9. 司法書士には相続手続きのどこまで依頼できますか?
相続人調査や戸籍収集、相続登記、遺産分割協議書などの書類作成をはじめ、相続手続き全般について相談できます。具体的に依頼できる範囲は相続の状況や業務内容によって異なります。
Q10. 相続の専門家には、どのタイミングで相談するのがよいですか?
できるだけ早い段階がおすすめです。特に「借金があるかもしれない」「相続人が分からない」「不動産がある」といった場合は、手続きを進める前に相談しておくと安心です。
2.相続人・戸籍・相続関係
Q11. 法定相続人とは誰のことですか?
法律によって相続する権利が定められている人のことです。配偶者は原則として常に相続人となり、子ども、直系尊属である父母など、兄弟姉妹の順に相続人となります。
Q12. 配偶者と子どもがいる場合、誰がどのくらい相続しますか?
法定相続分では、配偶者が2分の1、子ども全員で残りの2分の1を相続します。子どもが2人いれば、それぞれ4分の1ずつとなります。
Q13. 子どもが親より先に亡くなっている場合、孫は相続人になりますか?
亡くなった子どもに子がいる場合、その孫が代わりに相続人となることがあります。これを「代襲相続」といいます。
Q14. 子どもがいない夫婦の場合、誰が相続人になりますか?
配偶者に加えて、亡くなった方の父母などの直系尊属が相続人になります。直系尊属がすでに亡くなっている場合は、兄弟姉妹が相続人になる可能性があります。
Q15. 兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、甥や姪は相続人になりますか?
亡くなった兄弟姉妹に子どもがいる場合、その甥や姪が代襲相続人となることがあります。ただし、兄弟姉妹の代襲相続は甥・姪までで、原則としてその子には再代襲しません。
Q16. 離婚した前妻・前夫との間の子どもにも相続権はありますか?
あります。離婚によって元配偶者は相続人ではなくなりますが、親子関係はなくならないため、その間に生まれた子どもには相続権があります。
Q17. 養子には実子と同じ相続権がありますか?
原則として、養子も実子と同じように法定相続人となります。ただし、相続税の計算上、法定相続人の数に算入できる養子の人数には一定の制限があります。
Q18. 内縁の妻・夫は相続人になれますか?
法律上の婚姻関係がない内縁の配偶者は、原則として法定相続人にはなりません。財産を残したい場合には、遺言書の作成など生前の対策を検討する必要があります。
Q19. 会ったことのない相続人や連絡先が分からない相続人がいる場合はどうすればよいですか?
まず戸籍や住民票などを調査し、相続人の現在の所在地を確認していきます。それでも所在が分からない場合には、家庭裁判所での手続きが必要になることがあります。
Q20. 相続人を調べるための戸籍は、どこまで集める必要がありますか?
一般的には、亡くなった方の出生から死亡まで連続した戸籍を確認します。兄弟姉妹や甥・姪が相続人になる場合などは、さらに多くの戸籍が必要になることがあります。
3.遺産分割・遺産分割協議
Q21. 遺産分割協議とは何ですか?
相続人全員で、亡くなった方の財産を誰がどのように取得するか話し合うことです。話し合いがまとまったら、通常はその内容を遺産分割協議書として作成します。
Q22. 遺産分割協議には相続人全員の参加が必要ですか?
原則として相続人全員の合意が必要です。一部の相続人だけで行った遺産分割協議は、原則として有効な遺産分割にはなりません。
Q23. 相続人の一人が遺産分割に反対している場合はどうすればよいですか?
まずは相続人同士で話し合いますが、まとまらない場合には家庭裁判所の遺産分割調停などを利用することがあります。相続人間に争いがある場合は、弁護士への相談が必要になることがあります。
Q24. 相続人の一人と連絡が取れない場合でも遺産分割できますか?
連絡が取れない相続人を除外して遺産分割を進めることは原則できません。所在調査を行い、それでも行方不明の場合には不在者財産管理人の選任などを検討することがあります。
Q25. 遺産分割協議書は必ず作らなければいけませんか?
必ず必要というわけではありません。ただし、法定相続分とは異なる割合で相続する場合や、不動産の相続登記、金融機関の手続きなどでは必要になることが多いため、作成しておくのが一般的です。
Q26. 一度成立した遺産分割協議をやり直すことはできますか?
相続人全員が合意すれば、やり直せる場合があります。ただし、税金や既に行った登記、第三者との取引などに影響する可能性があるため、再分割を行う前に専門家へ相談することをおすすめします。
Q27. 法定相続分とは違う割合で遺産を分けることはできますか?
はい。相続人全員が合意すれば、法定相続分とは異なる内容で遺産を分割することもできます。
Q28. 遺産が実家などの不動産しかない場合、どのように分ければよいですか?
一人が不動産を取得して他の相続人へ代償金を支払う方法や、不動産を売却して代金を分ける方法などがあります。安易に共有名義にすると将来的な売却などが難しくなることもあるため注意が必要です。
Q29. 相続人の一人が亡くなった人の預金を勝手に引き出していた場合はどうなりますか?
引き出した時期や目的によって対応が異なります。相続開始後に無断で引き出していた場合などは、返還や遺産分割の中での精算が問題になることがあるため、取引履歴を確認することが重要です。
Q30. 葬儀費用や入院費を立て替えた相続人は、その分を遺産から受け取れますか?
亡くなった方自身の未払い医療費などは相続債務になる場合があります。一方、葬儀費用については当然に相続債務になるとは限らないため、相続人間で負担方法を話し合うことが一般的です。
4.不動産・相続登記
Q31. 相続登記とは何ですか?
亡くなった方名義の土地や建物について、相続した人の名義へ変更する登記手続きです。法務局に申請して行います。
Q32. 相続登記は必ずしなければいけませんか?
はい。2024年4月1日から相続登記が義務化されました。不動産を相続した場合には、法律で定められた期間内に相続登記を行う必要があります。
Q33. 相続登記はいつまでに行う必要がありますか?
原則として、不動産を相続によって取得したことを知った日から3年以内です。また、遺産分割によって不動産を取得した場合には、遺産分割成立の日から3年以内にその内容に沿った登記を行う必要があります。
Q34. 相続登記をしなかった場合、罰則や過料はありますか?
正当な理由がないまま相続登記の申請義務を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
Q35. 父が10年以上前に亡くなっていますが、実家がまだ父名義です。今から相続登記できますか?
はい、可能です。また、2024年4月1日より前に発生した相続も義務化の対象です。以前から相続したことを知っている未登記不動産については、原則として2027年3月31日までに相続登記を行う必要があります。
Q36. 相続登記にはどのような書類が必要ですか?
亡くなった方の戸籍、相続人の戸籍、住民票関係書類、固定資産評価に関する書類などが必要になります。遺産分割による場合は、遺産分割協議書や印鑑証明書なども必要になるのが一般的です。
Q37. 土地や建物が複数ある場合、まとめて相続登記できますか?
複数の不動産についてまとめて手続きを進めることは可能です。ただし、不動産の所在地や管轄法務局などによって申請方法が異なる場合があります。
Q38. 岡山県外にある不動産でも倉敷の司法書士に相続登記を依頼できますか?
県外の不動産についても相続登記を行うことは可能です。現在はオンラインによる登記申請も広く利用されているため、遠方の不動産についても対応できるケースがあります。
Q39. 兄弟3人で実家を共有名義にしようと思っています。問題はありますか?
共有名義にすること自体は可能ですが、将来の売却や建て替えなどで共有者同士の合意が必要となることがあります。さらに共有者が亡くなると権利関係が複雑化する可能性もあるため、将来まで考えて検討することが重要です。
Q40. 相続した不動産を売却する場合、先に相続登記が必要ですか?
原則として、亡くなった方名義のまま不動産を売却することはできません。まず相続人への相続登記を行い、その後に買主への所有権移転登記を行います。
Q41. 相続した空き家や使う予定のない土地はどうすればよいですか?
売却や賃貸、親族による利用などを検討できます。一定の要件を満たす土地については相続土地国庫帰属制度を利用できる可能性もあります。
Q42. 山林・農地・私道などが相続財産に含まれていた場合はどうすればよいですか?
一般の宅地と同じように相続登記が必要ですが、農地などでは相続後に別途届出が必要になる場合があります。財産調査の際には、自宅以外の土地が残っていないか確認することも重要です。
5.預貯金・株式・その他の財産
Q43. 亡くなった人の銀行口座はいつ凍結されますか?
通常、銀行が口座名義人の死亡を把握すると口座が凍結されます。死亡しただけで全国の銀行口座が自動的に一斉凍結されるわけではありません。
Q44. 亡くなった人の預金を解約するには何が必要ですか?
戸籍、相続人の本人確認書類、印鑑証明書、遺産分割協議書などが必要になることがあります。必要書類や書式は金融機関ごとに異なります。
Q45. 父がどの銀行に口座を持っていたのか分かりません。調べる方法はありますか?
通帳、キャッシュカード、郵便物、メール、確定申告書などを確認する方法があります。候補となる金融機関が分かれば、相続人であることを証明したうえで残高照会などを行うことも検討します。
Q46. 中国銀行やトマト銀行など地元の銀行でも相続手続きは必要ですか?
はい。金融機関を問わず、亡くなった方名義の預貯金を相続するためには所定の相続手続きが必要です。必要書類や手続きの流れは各金融機関によって異なります。
Q47. 株式や証券口座を相続する場合、どのような手続きが必要ですか?
証券会社へ死亡の連絡を行い、相続人名義の口座への移管などを行うのが一般的です。上場株式だけでなく、投資信託や債券などについても確認しましょう。
Q48. ネット銀行やネット証券の口座も相続財産になりますか?
はい。インターネット上の口座であっても、預金や株式などは相続財産になります。紙の通帳がないため、相続人が存在に気付きにくい点には注意が必要です。
Q49. 生命保険金は遺産分割の対象になりますか?
受取人が指定されている生命保険金は、原則として受取人固有の財産となり、遺産分割の対象にはなりません。ただし、相続税の計算上は一定の範囲で課税対象となることがあります。
Q50. 自動車も相続手続きや名義変更が必要ですか?
亡くなった方名義の自動車も相続財産です。売却や使用を続ける場合などには、相続に伴う名義変更などの手続きが必要になります。
6.相続放棄・借金
Q51. 相続放棄とはどのような制度ですか?
亡くなった方の財産や借金などを一切相続しないための手続きです。家庭裁判所へ相続放棄の申述を行う必要があります。
Q52. 相続放棄はいつまでにしなければいけませんか?
原則として、自分のために相続が開始したことを知ったときから3か月以内です。
Q53. 父が亡くなってから3か月以上経って借金が見つかりました。もう相続放棄できませんか?
3か月を過ぎていても、事情によって相続放棄が認められる場合があります。例えば、相続財産がないと信じており、そのように信じる相当な理由があった場合などです。早急に専門家へ相談することをおすすめします。
Q54. 親に借金があるか分からない場合でも相続放棄した方がよいですか?
財産と借金の内容を調査したうえで判断することが重要です。3か月以内に判断できない事情がある場合には、家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てられる場合があります。
Q55. 相続放棄すると預金や不動産も一切受け取れなくなりますか?
原則として受け取れません。相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったものとして扱われるため、借金だけを放棄して預金だけを相続することはできません。
Q56. 相続人の一人だけが相続放棄することはできますか?
はい。相続放棄は相続人それぞれが個別に行うことができます。
Q57. 子ども全員が相続放棄すると、次は誰が相続人になりますか?
子どもが全員相続放棄すると、亡くなった方の父母などの直系尊属が次の相続人になる可能性があります。直系尊属もいない、または放棄した場合には兄弟姉妹が相続人となる可能性があります。
Q58. 相続放棄を考えていますが、亡くなった親の家を片付けても大丈夫ですか?
注意が必要です。相続財産を売却・処分するなどの行為をすると、相続を承認したと判断される可能性があります。相続放棄を検討している場合は、大きな処分をする前に専門家へ相談してください。
Q59. 亡くなった父が会社の連帯保証人でした。保証債務も相続しますか?
保証債務も原則として相続の対象となります。ただし、保証契約の内容などによって取り扱いが異なる場合があるため、契約書等を確認する必要があります。
Q60. 相続放棄と限定承認は何が違いますか?
相続放棄はプラス・マイナスを含めて相続財産を一切引き継がない制度です。限定承認は、相続したプラスの財産の範囲内で借金などを負担する制度で、共同相続人がいる場合は原則として全員で行う必要があります。
7.遺言書
Q61. 遺言書を作った方がよいのはどのような人ですか?
子どもがいない方、前婚の子どもがいる方、特定の人に財産を多く残したい方、不動産が主な財産である方などは特に検討する価値があります。相続人同士のトラブル防止にも役立ちます。
Q62. 自筆証書遺言と公正証書遺言は何が違いますか?
自筆証書遺言は原則として本人が自分で作成する遺言です。公正証書遺言は公証人が関与して作成するため、形式上の不備によって無効になるリスクを抑えやすいという特徴があります。
Q63. 自分で書いた遺言書でも法律上有効ですか?
法律で定められた形式を満たしていれば、自筆証書遺言も有効です。ただし、日付や署名など形式上の要件を満たしていないと無効になることがあるため注意が必要です。
Q64. 自宅から封をされた遺言書が見つかりました。家族で開封してもよいですか?
封印された遺言書は、原則として家庭裁判所で相続人などの立会いのもと開封します。自己判断で開封せず、まず家庭裁判所や専門家へ相談してください。
Q65. 遺言書の「検認」とは何ですか?
家庭裁判所が遺言書の状態や内容を確認し、偽造や変造を防止するための手続きです。ただし、公正証書遺言や法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管されている遺言書については、検認が不要です。
Q66. 公正証書遺言があるかどうか分からない場合、調べることはできますか?
亡くなった後であれば、相続人など一定の関係者が公証役場を通じて公正証書遺言の有無を調査できる場合があります。
Q67. 一度作成した遺言書を書き直したり撤回したりできますか?
はい。遺言者が判断能力を有している間であれば、遺言書は作り直したり撤回したりできます。複数の遺言書がある場合には、原則として後に作られた遺言が優先する部分があります。
Q68. 遺言書で一人の子どもにすべての財産を相続させることはできますか?
そのような内容の遺言を作成すること自体は可能です。ただし、他の相続人に遺留分がある場合、相続開始後に遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。
Q69. 遺留分とは何ですか?遺言書があっても請求されることがありますか?
遺留分とは、一定の相続人に保障されている最低限の相続分です。配偶者や子ども、一定の場合の父母などには遺留分がありますが、兄弟姉妹には遺留分はありません。
Q70. 子どものいない夫婦は遺言書を作っておいた方がよいですか?
特におすすめするケースの一つです。遺言書がない場合、配偶者だけでなく亡くなった方の父母や兄弟姉妹などが相続人となり、配偶者がすべてを相続できない可能性があります。
8.相続税・生前贈与
Q71. 相続税はどのくらい財産があるとかかりますか?
相続税は、正味の遺産額などが基礎控除額を超える場合に課税されます。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。
Q72. 相続税の基礎控除とは何ですか?
相続財産が一定額以下であれば相続税がかからないという基準です。例えば法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。
Q73. 相続税の申告はいつまでに行う必要がありますか?
原則として、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。申告だけでなく納税についても原則として同じ期限となります。
Q74. 相続税がかからない場合でも相続手続きは必要ですか?
必要です。相続税が発生しなくても、預貯金の解約、不動産の相続登記、株式の名義変更などの相続手続きは別途必要です。
Q75. 自宅や土地は相続税の計算でどのように評価されますか?
土地は原則として路線価方式や倍率方式などを使って評価します。建物については固定資産税評価額を基準に評価するのが一般的です。詳しい税務判断については税理士への相談をおすすめします。
Q76. 生前贈与をすると相続税対策になりますか?
方法によっては相続税対策につながる場合があります。ただし、相続開始前の一定期間に行われた贈与が相続税の計算に加算される制度もあるため、長期的な計画が重要です。
Q77. 暦年贈与とはどのような制度ですか?
1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与について贈与税を計算する制度です。基礎控除などがありますが、相続税との関係もあるため、単純に毎年贈与すれば必ず節税になるわけではありません。
Q78. 相続時精算課税制度とは何ですか?
一定の要件を満たす親や祖父母などからの贈与について利用できる制度です。贈与時と相続時を通じて税金を精算する仕組みのため、利用するかどうかは財産状況を踏まえて判断する必要があります。
Q79. 親から子へ不動産を生前贈与する場合、どのような費用や税金がかかりますか?
贈与税だけでなく、登録免許税や不動産取得税などが発生する可能性があります。相続で取得する場合とは税負担が異なるため、贈与する前に試算することが重要です。
Q80. 相続と生前贈与では、どちらが有利ですか?
財産額や家族構成、不動産の種類などによって異なるため、一概には言えません。税金だけでなく「誰にどの財産を渡したいか」「認知症になった場合どうするか」なども含めて検討する必要があります。
9.複雑な相続・認知症・生前対策
Q81. 相続人の中に認知症の人がいる場合、遺産分割協議はできますか?
認知症などにより意思能力がない場合、その方自身が有効な遺産分割協議を行うことはできません。状況によっては成年後見制度の利用などを検討する必要があります。
Q82. 相続人の中に未成年の子どもがいる場合はどうすればよいですか?
親と未成年の子どもが同じ相続の相続人となる場合など、利益が対立するケースでは家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立てる必要があることがあります。
Q83. 相続人の一人が何十年も行方不明です。その人を除いて相続手続きを進められますか?
原則として、その方を除外したまま遺産分割することはできません。戸籍や住民票などで所在を調査したうえで、必要に応じて不在者財産管理人の選任や失踪宣告などの手続きを検討します。
Q84. 海外に住んでいる相続人がいても相続手続きできますか?
可能です。ただし、日本の印鑑証明書を取得できない場合などには、署名証明など別の書類を用意する必要があり、国内だけで完結する相続より手続きが複雑になる場合があります。
Q85. 相続人が10人・20人と大勢いる場合でも相続手続きできますか?
できます。ただし、相続人全員を確定し、原則として全員と遺産分割について調整する必要があるため、人数が多いほど時間や手間がかかります。
Q86. 伯父が亡くなり、ほとんど会ったことのない親族と一緒に相続人になりました。どうすればよいですか?
まず戸籍調査によって正確な相続人を確定し、財産内容を調べます。そのうえで、相続するのか、相続放棄を検討するのか、他の相続人と遺産分割を行うのかを判断します。
Q87. 叔父・叔母が亡くなった場合、甥や姪が相続人になることはありますか?
あります。亡くなった方に子や直系尊属がおらず、相続人となる兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、その子である甥や姪が代襲相続人となることがあります。
Q88. 親の認知症に備えて家族信託を利用することはできますか?
利用できる場合があります。元気なうちに信託契約を設計しておくことで、認知症になった後も家族が一定の財産管理を行える仕組みを作れる可能性があります。
Q89. 成年後見制度と家族信託は何が違いますか?
成年後見制度は、判断能力が低下した本人を法律面・生活面から支援する制度です。家族信託は、本人が元気なうちに契約によって財産管理の方法を決めておく仕組みで、目的やできることが異なります。
Q90. 身寄りのない「おひとりさま」は、元気なうちにどのような相続・終活対策をしておくべきですか?
遺言書のほか、任意後見契約、財産管理に関する契約、死後事務委任契約などを検討する方法があります。財産を「誰に残すか」だけでなく、亡くなった後の葬儀や住居の整理などを誰に任せるかも決めておくと安心です。
10.司法書士への相談・費用・倉敷での相続手続き
Q91. 相続手続きを司法書士に依頼すると、費用はいくらくらいかかりますか?
相続人の人数、不動産の数、戸籍収集の量、依頼する手続きの範囲などによって異なります。相談時に財産や相続関係を確認し、事前に見積もりを確認しておくことをおすすめします。
Q92. 相続登記を司法書士に依頼した場合、司法書士報酬以外にどのような費用がかかりますか?
主な実費として、登録免許税、戸籍や住民票などの取得費用、郵送費などがあります。登録免許税は不動産の固定資産評価額などをもとに計算します。
Q93. 相続手続きをすべて司法書士に任せることはできますか?
相続人調査、相続関係書類の作成、相続登記、預貯金などの遺産整理についてまとめてサポートを受けられる場合があります。当事務所でも「相続手続き丸ごとサポート」をご用意しています。
Q94. 戸籍収集や銀行手続きだけを司法書士に依頼することもできますか?
依頼内容によっては、一部の手続きだけを専門家へ任せることも可能です。「どこまでは自分で行い、どこから依頼したいか」を相談時にお伝えください。
Q95. 相続について司法書士と弁護士のどちらに相談すればよいですか?
相続登記や相続手続きに必要な書類作成などであれば、司法書士への相談が適しています。一方、既に相続人同士で争いになっており交渉や訴訟が必要な場合は弁護士の分野となります。
Q96. 相続税が発生しそうな場合はどうすればよいですか?
相続税の申告や具体的な税務相談については税理士の専門分野です。相続手続きには司法書士だけでなく税理士など複数の専門家が必要になるケースもあるため、まず状況を整理することが大切です。
Q97. 倉敷に住んでいなくても相続手続きを依頼できますか?
相続手続きは、相続人の居住地と不動産の所在地が異なっていても進めることができます。当事務所でも岡山県外にお住まいの方からの相続相談に対応しています。
Q98. 平日に時間が取れません。土日やオンラインでも相続相談できますか?
当事務所では、土日の相談についても応相談で対応しており、テレビ電話による相談にも対応しています。事前に相談日時をご予約ください。
Q99. 相続の無料相談ではどこまで相談できますか?
現在の相続関係や財産の状況を確認し、必要となる手続きや今後の進め方について相談することができます。「何をすればよいのか分からない」という段階でも、まず状況整理からご相談いただけます。
Q100. 初めて相続相談に行くとき、何を持っていけばよいですか?
お手元にあれば、亡くなった方や相続人の戸籍、固定資産税の納税通知書、不動産の資料、通帳、遺言書などをお持ちください。すべて揃っていなくても相談は可能ですので、分かる範囲の資料だけでも構いません。
この記事を担当した専門家

司法書士法人C-first
代表社員
山内 浩
- 保有資格
代表社員司法書士 家族信託専門士
- 専門分野
家族信託 相続 遺言 生前対策
- 経歴
司法書士法人C-firstの代表を務める。平成6年4月に貝塚市にて開業、平成25年4月には合併を経て事務所名をC-firstに改名。高齢者の生前対策について新しい財産管理承継ツールである家族信託などを活用して、高齢者の生前対策に最適なプランを提供する。






























































